2019年05月20日

『JAWS』の舞台裏


先日、「午前十時の映画祭」で『JAWS』を劇場鑑賞してきました。



わたしはこの映画を初公開時(1975年)にリアルタイムで鑑賞した世代なので、昭和から平成を飛び越え・・令和で約45年ぶりに再び劇場鑑賞を果たせた幸せを噛みしめています。




初鑑賞の際は子供心に「こりゃまるでビックリ箱だ!」って驚いたものですね。

アクション、ホラー、アドベンチャー、そしてラストのカタルシス・・・当時のわたしにはそんな分析なんてできませんでしたが、とにかく「超面白い映画」「すごい映画」「パンチを喰らわされた映画」だったんですね。

この映画が初公開された時代には、パソコンなんて存在しませんし、コピー機、ビデオ、CDなども存在していません。

なので、当時劇場で鑑賞した子供時代のわたしは、脳内細胞をフルに働かせ、脳内コピーという法律に触れないコピーを行ってたんです。

脳内コピーゆえ、何回も何回も何回も何回も再生していくうちに、怖かったシーンは2倍にも3倍にも誇張されていくんですね。

結果的に海水浴場や市民プールだけでなく、お風呂場でさえ「ヒレが突然出てくるんじゃないか?」と怖くなるほど。


この『JAWS』という映画は、改めて紹介する必要もないほどの歴史的名作ですから、いまさらストーリーがどうのとか、感想がどうのとか、今日この記事で述べるつもりはありません。


ですから、受け売りになりますが、今日はDVDの特典で面白く感じた「監督の苦労話」や「出演者の話」などを書いていきたいと思いますので、読んでいただいた方がレンタル時などの鑑賞材料の一つになればありがたいな・・と思います。



@:スピルバーグ氏が監督になった経緯。

1974年にピーター・ベンチリー氏が書いたサメ小説「JAWS」

この小説の映画化権を買い取ったのが、スピルバーグの劇場初公開作品『続・激突!/カージャック』の製作陣でした。
※前作『激突!』はアメリカではTV映画として製作されました。

そんな縁でこの話を聞いたスピルバーグ氏が「俺にやらせてくれ!」と立候補したのが事の始まりだそうです。

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メイキングではスピルバーグ氏が当時の自分を「若くて向こう見ずだった。愚かだったというべきかな。」と振り返っていますね。

プロデューサーたちは原作を読んで、その面白さに即映画化の権利を獲得することを決めますが「2回読んだら多分映画化を諦めてただろう。」とも語っていました。

だって、サメが船の上に乗り上げて人を喰う話を一体どうやって撮るというんだ・・。

アニメでも使うのか・・。

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CGなど存在しない時代の話です。

当時選択できるモンスターの撮影方法なんて、限られてるんですよね。

下手するとただのB級モンスター映画に成り下がってしまうし。

いざ請け負ってみたものの・・というところでしょうか。





A:ロバート・ショウは最後に決まった。

最期にサメにとどめを刺すこととなるブロディ署長役のロイ・シャイダーには当初別の役者を考えていたが、スピルバーグが初対面で彼のことを気に入り、そのままスムーズに役が決まったそうです。

また、若い海洋学者フーパー役のリチャード・ドレイファスは友人であるジョージ・ルーカスの推薦。

『アメリカン・グラフティ』
での演技を見込んでの話です。

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サメ退治専門家のクイントリー・マーヴィンを考えてたが断られ、次にスターリング・ヘイドンに当たったが彼もダメ。

結局プロデューサーの紹介でロバート・ショウに決まりましたが、リー・マーヴィンだったらどんなだったかな〜って興味もありますね。

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B:監督が一番好きなシーンはクイントの回想シーン

サメとの初戦を終えた後、酒盛りを始めた3人。

昼間はいがみ合ってギクシャクしていた3人だが、勲章であるお互いの傷跡を見せながら仲良くなっていく・・。

そして「その傷跡はなんだい?」、と刺青を消した跡についてフーパーが訪ねたことから、クイントの独白が始まります。



このシーンは以前記事にしたことがあるので、内容はそちらで。

※参考:http://meshifuroneru.seesaa.net/article/423649918.html

クイントの独白は最初の脚本では、ほんの3行だったそうです。

ここを膨らませたかったスピルバーグは、このセリフの部分のみ名脚本家で名監督でもあるジョン・ミリアスに演説風に書き直してもらいます。

そして、出来上がったセリフをロバート・ショウ自身が自分の言葉に書き直し、あの名シーンが出来上がったんですね。

ちなみに、このインディアナポリス号の事件は実話ではありますが、サメの犠牲者などは映画向きに少し盛ってるそうです。

蛇足ですが、ニコラス・ケイジ主演の『パシフィック・ウォー』という作品が、このインディアナポリス号の事件を扱っています。

・・・感想はノーコメントで(;^ω^)。









C:動かないサメ・・・ピンチをチャンスに。

このエピソードは有名なので知ってる方も多いと思いますが、この映画のために作られたサメはとにかく動かなかったそうですね。

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原理はシンプルなもの・・遠浅の海の底にレールを敷き、その上を滑車付きのサメが滑るように動き、クレーンアームの上下で海上に顔を出したり、潜ったりする。(右側だけのものや左側だけのものも作られたそうです。)

この動きが陸上ではうまくいったものの、撮影で使用する海中では機械に過酷すぎたんですね。

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オープニングで夜中に泳いでいた女性がサメに襲われるシーンがあるんですけど、当初はここでドーンとサメを出して、インパクトを与えるつもりだったそうです。

でも、サメは相変わらず動かない。

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待てよ、しょっぱなからモンスターを見せるのはB級映画でよくやるやり方だし、ありきたりだ。

サメは見せない方が怖いぞ。

そこでスピルバーグは、彼女と一緒に観客も泳いでるように思わせるカメラワークに変更。

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ちなみに、彼女がサメに引っ張りまわされるシーンは人力で引っ張ってるそうです。

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D:サメのテーマの使い方の巧さ。

ダーダッ、ダーダッ・・・ダッダッ、ダッダッ、ダッダッ、ダッダッ。

名匠、ジョン・ウィリアムズが作ったこの特徴的な音楽は、映画を観た方なら確実に耳に残ってますよね。



スピルバーグはサメを見せない代わりに、このBGMとともにサメがやってくる流れを映画の中でパターン化します。

例えば、子供がいたずらで「作り物のヒレ」を使って海水浴客をパニックに陥らせるシーン。

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ここはこのテーマ曲が流れていないので、パニックになる海水浴客を見ながら我々観客は、「これはサメじゃないよ〜。」と安心して見てられるわけです。

これを繰り返していくうち、知らない間に「BGMはサメが出てくる前兆」だと条件付けされた観客たち。

・・そして何の前触れもなく、画面いっぱいに現れるサメ。



パブロフの犬になっていた我々観客の度肝を抜く演出です。

このシーン・・劇場で観たら本当にビビりますよ。

「You're Gonna Need a Bigger Boat 」・・もっと大きな船がいる(この船じゃ小さすぎる。)はロイ・シャイダーのアドリブ。

英語のことはわかりませんが、メイキングによるとこの映画以降、何か大きな障害にぶつかった時に使われるジョークとして流行ったそうです。







E:生き残ることになったフーパー。

作り物のサメと樽の動きだけでは間が持たないことをスピルバーグ自身感じており、どこかで本物のサメを使うべきだと自覚していました。

そのシーンが海中に降ろしたゲージのシーンです。

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小さめのゲージに人形や小さなスタントマンを入れて撮影すればサメが倍の大きさに見える。

スピルバーグは海中撮影の専門家にゲージを暴れて壊すサメの撮影を頼みますが、これがなかなかうまくいかない。

スタントマンは怖がるし、サメはおびき寄せるための餌をついばむだけで暴れることがない。

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そんな時、サメの鼻先にゲージを吊り下げているワイアーが絡まり、嫌がって思いっきり暴れたそうです。

偶然だけどいいシーンが撮れたぞ!

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このフィルムを観たスピルバーグも気に入りましたが、残念ながらゲージには人形が入っていなかった。

でもいいシーンだ・・・よし、それなら脚本を変えよう。

おかげでフーパーはサメに殺されず、生き残ることになりました。







F:原作からも脚本からも大幅に変更したクライマックス

元々この映画の脚本では、原作に沿ってサメは何本もの銛(モリ)と樽に耐え切れず沈んでいくラストでした。

そして、クイント船長はサメに刺した銛の縄が足に絡まってしまいサメとともに沈んでいく。

・・まるで「白鯨」エイハブ船長のような死に方です。

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スピルバーグは「この終わり方は暗い」と、あの爆破を思いつくんですね。

原作者であり共同脚本家でもあるピーター・ベンチリー氏は当然大反対。

そんなのあり得ない! 酸素ボンベを咥えたサメを爆発させるなんて!

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スピルバーグはこう答えたそうです。

構わない。 ここまで付き合ってくれた観客はこの終わり方を信じてくれる。 僕は観客を興奮させたいんだ。

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なんとも頼もしい言葉じゃないですか。

当時、まだ30歳手前の若手にもかかわらず、エンターテインメントを知り尽くしたうえでの言葉ですよね。


クライマックスの爆破同様にクイントの死に様も変えるべきだと、撮影を続けるうちにスピルバーグスタッフも思い始めるんですね。

人間一人の能力なんて到底及ばない力で彼は死ぬべきなんじゃないのか・・・。

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そこで、あの迫力のあるかみ殺されるシーンが彼に与えられました。

わたしは原作は未読なのですが、その他にも原作にはブロディ署長の奥さんと海洋学者フーパーの浮気・・なんてドロドロしたエピソードもあるそうです。

そういう余計な要素を一切排除し、一直線なアドベンチャー映画にしたことで、この映画は大成功。

世に「サメ映画」というジャンルが生まれました。







G:追加撮影でドッキリを2倍に。

映画の中盤にフーパーが壊れたボートを捜索してベンの生首を発見するシーンがありますよね。

ここは最初に撮ったシーンがどうもタイミングが悪くドッキリ感が少ない・・と追加撮影して撮りなおしたものです。

最初のはフーパーが穴を見つけワンテンポ置いて生首がほわ〜んと漂ってくるので、インパクトに欠けてたそうなんですね。

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わざわざ追加予算を計上して再撮影したこのシーンは、文字通り観客が椅子から飛び上がりました。

今回劇場鑑賞した時に、わたしの右の席には20代と思しき青年が座ってたんです。

別にうるさくはなかったのですが、持ってきたパンをひたすら食べながら映画を観てたんですね。

「いったいいつまで食べてるんだろう。」  小さな咀嚼音ですけど気になって気になって・・。



このシーンで椅子が揺れるほどビクッとしたのを見た時はちょっとだけ気分が良かったですね。






以上、今回は『JAWS』の舞台裏について書きましたが、有名な作品ゆえに今までわたしの過去記事内でも引き合いとして記事にしたことも多々あり、過去記事の一部と同じようなことを書いている部分もあると思いますが、ご了承ください。


また、『JAWS』の面白さを引き継ぐようなシリアス系サメ映画についても過去に書いているのでそちらも参考にしていただければ・・と思います。

※参考:http://meshifuroneru.seesaa.net/article/460235642.html


未見の方・・いらっしゃらないとは思うのですが、もしもいらっしゃったらその方は人生をちょっとだけ損していますよ。

『JAWS』は、それくらいの価値がある映画です。



・・・・・それでは、今日はこの辺で失礼します。






posted by タバスコ at 00:52| Comment(0) | 動物パニック映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月18日

弾き語りとカラオケ



わたしが映画中心のこのブログを始めて5年以上経ちました。

おかげさまで、日によって差はありますが毎日100人から200人の方に見に来ていただいています。

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※上は昨日のアクセス解析頁の画像です。


ほかの方の映画のブログがどんな感じなのかは聞いたこともないので分かりませんし、知りたいとも思いません。

有名なブログであれば、1日の訪問者が1000人単位、万人単位とか普通にあると思いますしね(^−^)。


わたしは、映画以外にも趣味がありまして、ひとつは自己紹介にも書いているバイク。

昔のトップガンに出ていたGPZ900(ニンジャ)の色違いに乗っています。

そしてもうひとつが弾き語り。

これは趣味というのもおこがましいほどの出来なのですが、好きなのは仕方がないんですね。

大昔、10代のころにフォークソングを弾いていたことがあるのですが、20代からは興味がバイクに移りギターは卒業・・・3年くらい前に後輩が触ってたところを見て感化され、「もう一回やってみようかな。」って衝動的にギターを買って、時々弾いているんです。

練習なども月に2〜3回つま弾く程度なのでうまくなるはずもなく。

ユーチューブにたまにUPしてはいるのですが、このブログに比べて訪問者の少ないこと少ないこと・・・・・・・・( ノД`)。



でもね・・・それでも楽しいんですよ(^−^)。

ユーチューブの世界にアカウントを取ったということは、与えられたのネットのスペースを自由に使っていい、ということなんです。

他人に迷惑をかけなければ、下手な弾き語りでも堂々とUPして構わないんです。


そんなわけで今回は、先日ゴールデンウイークに近所のカラオケボックスでギターの練習をした時の歌と、ついでにカラオケを歌ってきたのでそれもUPしますね。







完全に自己満足の記事ですが、好きなのでこれからもたまに弾き語りはUPしま〜す(;^ω^)。



・・・・・それでは、今日はこの辺で失礼します。






posted by タバスコ at 18:37| Comment(0) | 弾き語りなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする