2018年10月16日

『デーモン・ナイト』鑑賞記


昨日『デーモン・ナイト』(1995年)というホラー映画を鑑賞しました。



「是空」さんというところから発売されたものですが、ツイッターでもフォローさせていただいているこの会社では他にも『ザ・ゲート』、 『ドリームスケープ』 、『サルート・オブ・ザ・ジャガー』 、『インフェルノ』(アルジェントの方)等、あの頃の僕らの映画をイイ感じでチョイスしてくれてる非常にありがたい会社です。


今回、最近発売されたこのDVDをツタヤさんの発掘良品コーナーで見つけて即レンタル。

メイキングも充実していたので裏側なども含めてレビュー記事を書いてみたいと思います。




冒頭いきなりカーチェイス方始まるこの映画。

追われる方は『ダイ・ハード2』ウィリアム・サドラーで追う方は『タイタニック』ビリー・ゼイン

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大クラッシュにも関わらずビリー・ゼインは全くの無傷。

ぶつかる直前に車から逃げ出したウィリアム・サドラーはある田舎の安宿に逃げ込んだが、そこにビリー・ゼインが警官を引き連れてやってくる。

この宿屋にいるのは一癖ありそうな人物ばかり。

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ビリー・ゼインは警官に伝えます・・「彼はわたしの大事な骨董品を盗んだのです。」「鍵の形をした非常に貴重な骨董品を。」


・・ここからウィリアム・サドラーを中心とした宿屋の籠城作戦が始まり、ビリー・ゼインは手下の悪鬼を使い「鍵」をなんとか奪おうとしますが、正直いうとこの映画は今回初鑑賞だな・・って思いながら観てたんです。

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ところがビリー・ゼインが地面に緑色の液体を撒き、そこから悪鬼が生まれ出てくる場面を見て「あっ!この映画観たことある。」「守護者を引き継ぐやつだ!」・・って一瞬にして記憶が蘇りました。

昔ビデオで観たことのある1本だったんですね。 

80年代から90年代にかけては、それこそ一か月に20本〜30本くらいはビデオをレンタルして観てたので、わたし自身全く覚えてないのもかなりあります。

特にこの『デーモン・ナイト』は連続ドラマ、原題「テイルズ・フロム・ザ・クリプト」というTVホラーシリーズの劇場版なので、似たタイトルのビデオが多数出ており、どれを観たかなんて頭の中で整理できるはずもなく。

でも、この悪鬼が生まれ出てくるシーンは強く記憶に残ってたんでしょうね。

このシーンを見た瞬間に、大まかなあらすじが脳裏に映像となってよみがえったんです。

なので、これからあとは「うんうん、こんな感じだった。」と画面にうなずきながら最後まで楽しく観させてもらいました。




ネタバレになりますが、実はウィリアム・サドラー演じる主人公は「鍵」の守護者で、ビリー・ゼインはその「鍵」を追う悪魔のひとり。

この「鍵」は悪魔が欲しがっている7つの鍵の最後の一つで、これが悪魔に渡ってしまえば、全世界は悪魔のものになってしまう。

この「鍵」を第一次大戦時代に守護者として引き継いだのがウィリアム・サドラーであり、彼がこの宿屋に来るまでの旅は、次に引き継ぐ守護者を探す旅でもあったわけなんです。

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最後の一つのこの鍵さえ奪えば世界は悪魔のもの・・悪魔は「鍵」が欲しくて欲しくてたまらないのですが、「鍵」の中に入っているのは代々の守護者の血(初代はキリスト)。

その血は建物の入り口を塞ぐ結界となり、直接触れれば悪魔を溶かす「聖水」となる。

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ウィリアム・サドラー演じる主人公は、第一次大戦の時に上官が死ぬ間際に守護者として任命され、この「鍵」を引き継ぎ、現代まで孤独な戦いを続けていたわけなんです。

彼ら代々の守護者には「引き継ぐ時」が定められており、この安宿がその終着点。

中にいる7人のうち、悪魔の誘惑に打ち勝ち、生き残った者が次の守護者になる。・・・古い守護者は死ぬ運命なのです。

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この映画で次の守護者になるのは、素行不良のため刑務所に入る代わりに宿屋の手伝いを義務付けられている勝気な女の子。

他の大人が悪魔の誘惑に次々と魅入られる中、彼女は毅然とそれをはねのけ、いやいやながらも死ぬ間際の守護者から「鍵」を受け取ります。

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その後の彼女はあっぱれ・・「鍵」の中の「守護者の血」を全身にまとい、悪魔との一騎打ち。

結局この作戦は失敗するのですが、さらなる奥の手で見事悪魔を退治します。



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エピローグ・・彼女は愛猫を連れて旅立ちますが、用心のためバスに乗り込む際に「血」で昇降口に結界を張ります。

次の停留所で黒服の男がバスに乗ろうとするが、結界に気づき乗ることをあきらめる。

そのまま男がバスを見送るシーンでEND。




わたしはこういう映画がすごく好みです。

『パシフィック・リム』のように全世界が注目する派手な戦いで地球の運命が左右される映画も楽しいけれど、誰も知らない辺境の地で世界の運命を左右する戦いがひっそりとおこなわれる。

誰からも称賛されないのに・・。

『ゴッド・アーミー/悪の天使』『コンスタンティン』などもそんな雰囲気があって好きな映画ですね。


そんな、宿命を背負った孤独な主人公の孤独な闘い。

そのクールなウィリアム・サドラーの雰囲気とは対照にビリー・ゼイン扮する悪魔のお茶ら気振りも非常に楽しかったですよ。

そのお茶らけた誘惑に翻弄されたり、打ち勝ったりする共演者たちも、映画好きがニヤリとする配役ばかり。


まずはお色気担当のブレンダ・バーキ
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気持ちが弱く、一番最初に悪魔の誘惑に負けてしまいドロドロのお化けになっちゃいますが、他の出演作だと、特撮好きには『ガンヘッド』『クライシス2050』が記憶に残ってると思います。


また『地獄のデビルトラック』をまじめバージョンで造り直した『トラックス』にも出てましたね。




悪魔に「鍵」を渡す代わりに「俺だけは助けて。」と仲間を裏切った挙句、悪鬼たちに食われて死んじゃった自分勝手な若造を演じてたのはトーマス・ヘイデン・チャーチ
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有名なところでは『スパイダーマン3』でサンドマンを演じてます。

以前「映画秘宝」でインタビューを受けてた記事を読んだのですが、『ギフト』という映画の出演が決まってたのに直前で、脚本を気に入ったキアヌ・リーヴスに役を横取りされた。・・と愚痴ってました。

「そんなずるい奴だから、マトリックス以降ろくな役に出会ってないだろう。」と悪口言ってたのが印象に残ってます。

2007年の話です・・今、キアヌさん乗りに乗ってますよね。




そしてわれらがディック・ミラー

名脇役中の名脇役ですよ。
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この映画ではアル中な挙句、悪魔の見せる幻影・・お酒&おっぱい攻撃にコロッとやられ、簡単に悪の手先になってしまうおっさんを演じてますが、みなさんもこの方・・今までにどこかで必ず1回は見てると思います。



50年代からロジャー・コーマンの作品で活躍している方で『ターミネーター』 、『グレムリン』 、『インナースペース』、 『ゾンビコップ』、 『ピラニア』など80年代以降の作品でも大活躍。

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今回の『デーモン・ナイト』特典映像で特殊メイクの神様リック・ベイカーが「彼の出演作で『血のバケツ』が最高だよ。」と言っていたので、とりあえずアマゾンのカートに入れました。

おかげでカートは今パンパン状態・・・何の躊躇もなく欲しいだけ買えるような身分になりたいもんですなぁ(泣)。





出演者たちのこと以外ですが、特撮オヤジとしては特典映像でやってた悪鬼たちの特撮紹介が非常に興味深かったです。

上でも紹介しましたがこの作品はTVでシリーズ化されていたホラーオムニバスものの劇場版という位置づけです。

要は、定期的にTVで放送されている『世にも奇妙な物語』がたまにやってる「劇場版」みたいなもんですね。

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冒頭に現れるタモリさんに当たるのが上の画像のとぼけたミイラ。

そんな劇場版にもかかわらず、予算は非常に厳しく、最初はプロデューサー側からモンスターのシーン全てカットするように言われたそうです。

「この映画はモンスターが出なければ意味がない!」

そこでできるだけ安く仕上げる為に、着ぐるみではなく、マスクと腕、足、しっぽを装着し、ボディは生身の体にメイクを施すことで低コストモンスターを作り上げたんです。

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さらに足には竹馬のようなものを仕込んで、背を高くし、人間にはありえない逆関節を表現しているのはスゴイですね。

この映画は1995年公開の映画です。

1981年のホラー映画『ハウリング』では特殊メイクはすごくても、着ぐるみで逆関節を表現するにはまだ技術が追い付かず、全身をあらわすシーンでは「コマ撮り」を使いましたが、本編とトーンが違いすぎるとのことでカットされてます。

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わたしが今まで知っていた、逆関節の着ぐるみを大々的に使用してる映画と言えばエメリッヒ版『ゴジラ』(1998年)と『アンダーワールド』シリーズ(2003年〜)くらいでした。

特に『アンダーワールド』では思いっきり走ることもできる着ぐるみを開発していて、びっくりしたものです。



「エメゴジよりも先に逆関節にトライしてた作品があったんだ!」っていうのも今回の新たな発見でした。

ブレンダ・バーキさんも「撮影中はダンサーのようで優雅だった。」とおっしゃってましたよ。




以上、今回のレビューを終えますが、正直「むちゃくちゃ面白いよ!」と言える作品ではありません。

ただ、今も現役で頑張ってるベテラン俳優の若い時代が垣間見れて、80年代90年代のCGに頼らない特撮が楽しめて、ビリー・ゼインは若いころからすでにはげていた、ということも確認出来て・・・とにもかくにもぼくたちのあの頃が懐かしく感じられる1本です。






ツタヤ発掘良品の棚に並んでますので、良かったら楽しんでください。

わたしはブルーレイ買おうと思ってます。

またカートがパンパンに・・・(泣)。


・・・・・それでは、今日はこの辺で失礼します。




posted by タバスコ at 18:47| Comment(0) | ホラー映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月05日

チャールトン・ヘストン主演のディストピアSF映画


今回の記事は元々日曜日にはUPするつもりだったんです。

でも、気候の変動に体が付いていけずダルダルだったせいか、ただ単に年のせいで書くのが面倒くさくなっただけなのか、遅々として筆が進まず一日5行くらいしか書けかったのですが、昨日10月4日が今回紹介するチャールトン・ヘストン氏の誕生日だと知り、これはあんまり遅れちゃ失礼だ!と必死で書き上げました。

まあ素人ブログなので、そんなところでありがたみをPRしても何の得にもなりませんが、とりあえず最近更新回数が滞っていることの言い訳とさせていただきます。



本題に入りますね。

60年代〜70年代に活躍したハリウッドの名俳優のひとりにチャールトン・ヘストンという方がいます。

背が高く、精悍な顔つき・・がっちりとした体格やアゴが、強いアメリカをそのまま体現していたような俳優です。
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先日、この方が主演している中古DVDを購入したので、今日はそのうち2本を紹介していきたいと思います。


1本目:『地球最後の男 オメガマン』(1971年)



世界で大規模な核戦争が勃発。

核戦争は最終的に細菌戦争へ・・・このままだと全世界の人々が犠牲になってしまう。

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軍人であり科学者でもある主人公のネビルは日々犠牲者が増える中、なんとかワクチンを開発。

ヘリで運ぼうとするが、空輸中に操縦士もネビルも発症してしまい墜落してしまう。

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重傷を負ったネビルは、墜落のショックで1本しか残らなかった最後のワクチンを自分に注射し難を逃れるが、この行為によって彼は「地球上にたった一人残った非感染者」になるわけなんですね。


この細菌戦争で地球上の感染者はほぼ死に絶えてしまったのですが、生き残った少数の人々は皮膚も髪の毛も白く脱色してしまい、光に対して非常に敏感になってしまうので、日中はビルの中などの暗闇に潜み、夜になると活動を始めます。

細菌は精神にも作用を及ぼし、人類を滅ぼした機械文明に対し強い嫌悪感を示すようになり、一種のカルト宗教的なコロニーを作るんですね。

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彼らにはワクチンの効果もほとんどありません。

効果が見られるのは、初期の感染者だけ。

文字通り病的に非感染者をねたみ、機械文明を地球を滅ぼした悪の元凶と信じる彼らは、軍人であるネビルを両者(非感染者、機械文明)の象徴として悪魔のように忌み嫌うんです。

「何故彼だけが普通に日の光の中で生きられるんだ。」「我々感染者は暗闇に押しやられてるのに!」

夜な夜な彼らはネビルの根城を取り囲み、頑丈な防壁を施している彼の屋敷に非文明的な投石器で攻撃を仕掛けるんです。

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逆に昼間は感染者たちが日光を避けて眠る時間。

攻守逆転! 今度はネビルが単身、建物や倉庫の暗がりに隠れ眠っている彼らをハンティングしていくんですね。




たった一人。・・安全な日中にガソリンや食料を確保しながら街中をさまよう彼には、公衆電話が一斉に鳴りだす幻聴が聞こえます。

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ついには生きた黒人女性が走り去る幻覚まで見てしまったところで、彼は自分自身の精神がおかしくなっていることを自覚しますが、ある日不覚にも感染者につかまってしまった彼を助けてくれたのは、その幻覚だと思っていた彼女。

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しかも何人も仲間がいる。子供もいる。 

「非感染者は俺一人だけじゃなかったんだ!」

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彼らの中には若い医大生もいた。

「仲間の一人である子どもが感染してしまった。」「あなたのことは知っている、どうか助けてほしい。」

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こうして彼は孤独を抜け出し、仲間と愛する人を同時に手に入れたが、落ち着く間もなく愛する人まで感染してしまい、同時に感染者たちの総攻撃も始まった。




この映画はリチャード・マシスン『アイアム・レジェンド』という小説を映画化した2本目の作品です。(3本目の映画化作品はみなさんご存知『アイアム・レジェンド』ですね。)

日本では当初『吸血鬼』と言うタイトルで出版された原作は「吸血鬼」の存在をウィルスという科学的な側面から描写した作品でした。

ですから小説の中でもウィルスは「バンパイアウィルス」と明記されてた記憶があります。

このチャールトン・ヘストン版とウィル・スミス版では感染者の設定やラストに改変が見られますが、わたし個人の印象で言えば、小説版のラストが一番衝撃でした。



小説版では、一度感染によって死亡し復活した感染者(吸血鬼)と、感染したものの死亡せずある程度の知能を保った新型の感染者がいるんですが、主人公のネビルは日中彼らをどちらかの見境なくひたすら殺しまくってるわけなんですね。

新型感染者からすれば、主人公は凶悪な殺人者。

一体何十人、何百人が彼の手によって殺されたか。

結局ネビルは感染者につかまって殺されるわけなのですが、処刑の場で彼を取り巻く大勢の感染者の顔は皆恐怖に包まれています。

こいつが殺戮者だ。モンスターだ。・・そして過去の遺物だ。

恐れおののく感染者の表情を目の当たりにして、死の間際、自分自身が「伝説の怪物」だったことに気づく主人公。

これが『アイアム・レジェンド』の原作の意味なんですね。


以前『ディストピア パンドラの少女』という映画を観たのですが、ラストの無常感がこの原作を連想させました。

人類は滅びる・・そして新たに地球を支配するのは、旧人類が「異物だ!」とさげすんでいた者たち。

※参考:http://meshifuroneru.seesaa.net/article/458024933.html


じゃあ、このチャールトン・ヘストン版のラストがどうなのか?

・・・興味がある方は一度観てみてはどうでしょうか。










2本目:『ソイレントグリーン』(1973年)


製作時期から半世紀先の2022年を描いたSF作品です。

人口過剰と経済成長の副産物としての環境破壊によって、全世界を食糧難が襲っています。

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貧富の差はとても激しく、金持ちは家具代わりにきれいな女性を何人も部屋に置いておくほどの富と権力を持っていますが、最下層の人間はビルの廊下や路上で生活をしています。

主人公は刑事ではあるものの最下層に近い生活をしている。

一緒に暮らしているのは、口は悪いが心優しい老人。

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主人公はある殺人事件を担当することになります。

ソイレント社という、配給用の合成食品を製造している会社の幹部が侵入者に殴り殺されたんですね。

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部屋を捜索中、ガードマンから事情徴収しながら平気で部屋にあるめぼしいものを袋に詰め込む主人公のソーン刑事

お酒、ワイン、本物の野菜、肉等、下層階級の人間がそれこそ滅多に出会えない高級品を平気で持ち帰ります。
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そして、「俺にも後で分け前をくれよ。」と寄って来る死体運搬の知り合い。

こんなシーンを見ることで「そうか・・ここはそういう世界なんだ。」って観客は理解するんでしょうね。

部屋に帰り、老人に石ケンを渡し鉛筆を渡し、何年振りかに本物の肉と野菜を堪能する二人。

普段は合成食品しか口にできない下層階級の人々にとっては、至福のひと時・・・。

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決して清廉潔白な人間ではないけれど、このさびれていく世界で、同居する老人に優しく接する主人公、ソーン

殺人事件を追ううちに誰かに命を狙われることで、裏があることを疑い始めた彼ですが、同居する老人が「ホーム」に行ってしまったことを知るんです。


「ホーム」・・名前は素晴らしいけれども、要は国が認めた安楽死の施設。

人口過剰、環境破壊、食糧不足、貧富の差の拡大・・・そんな社会に愛想をつかした人たちが、苦痛なくあの世に旅立てるようにお膳立てをする施設なんですね。

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止めに行くソーンですが、既に遅く・・・老人は今まさに死にゆくところでした。

今まで見たことも無い大自然の映像に、心打たれて涙しながら・・。

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そして、死の間際にソーンに謎めいた言葉を残します・・・立証しろ、ソーン。「交換所」へ行け。



殺人現場からくすねてきた貴重品の中には分厚い本もありました。

その情報から、ソイレント社の開発した合成食品「ソイレント・グリーン」の秘密を知ってしまった老人の、命を懸けた伝言です。

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ソーンは老人の言葉を受け、死体運搬車に隠れ、そのまま処理工場へ忍び込みますが・・・。





この映画では最後に合成食品ソイレント・グリーンの衝撃の事実が発覚するのですが、それよりも、1973年にほぼ半世紀後の2022年を予測した映像が『MADMAX』の世界一歩手前風で非常に味わい深いですね。

教会に聞き取り調査に行くときに見かけた行き倒れの女性。 彼女の亡骸の横にたたずむ幼子をひょいっと抱え、教会にいたシスターに預けるシーン。

サイレント社の幹部が殺され、空き部屋となったその部屋には新しい金持ちが住み始めたが、女性は家具として存在しているのでそのまま新しい住人に引き継がれる。

合成食品の配給には汚れた人々が長い列を作り、配給不足に怒り暴動を起こす人々には容赦なくクレーン車が襲う。

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そんな暗澹たる世界での唯一の救いが安楽死施設「ホーム」だなんて。

しかもこれが2022年・・今から3年後の設定なんですよ。

老人役の役者さんも味があってよかったですね。

今回記事を書くために調べたら、エドワード・G・ロビンソンと言う方で、この映画が遺作。

101本目の出演作だったそうで、この映画公開の数週間後にお亡くなりになったそうです。

撮影当時はほとんど耳が聞こえず、会話シーンは相手のセリフがわからないのでタイミングを計りながらやり取りしていたそうな。

メイキングには公開記念パーティで彼の功績を称えるチャールトン・ヘストンの演説が見られました。

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この映画は『人間がいっぱい』という小説の映画化らしいですが、わたしは未読です。

ただ、大昔にビデオでこの映画を初めて観た時に思い出したのは、ある短編小説。

作者が星新一だったか、フレドリック・ブラウンだったか、はたまた別の人だったか忘れてしまいました。

未来世界は人口過密なあまり公共スペースに隙間がなくなってしまっている。

そのため人類はぶつかっても摩擦が起きないように皆円柱形の姿に進化し、ビルの屋上からは滑りをよくするために常にオイルが撒かれている。

・・そんなブラックジョークな小説です。

配給シーンやアパートの廊下のシーンでのあまりの人の多さに連想してしまいました。


60年、70年代に未来を描いたいわゆる「レトロフューチャー、パストフューチャー」な映画・・・実際の今と比較して数々の相違点があるので好きですね。

そんな感じの記事も以前書いたので、良かったら覗いてみてください。

※参考:http://meshifuroneru.seesaa.net/article/416682159.html



そして、チャールトン・ヘストン主演の一番有名なディストピアSF映画と言えば『猿の惑星』(1968年)でしょう。


この作品についても以前記事を書いてますので、良かったらそちらを参考にしてください。

※参考:http://meshifuroneru.seesaa.net/article/415550257.html



今回紹介したチャールトン・ヘストン氏。

わたしが映画で最後に拝見したのはゲスト的に出てたティム・バートン版の『猿の惑星』でした。

メイクしてましたが、やはり目が彼ですね。

『トゥルー・ライズ』でのシュワちゃんの隻眼の上司も迫力があって記憶に残ってます。

シュワちゃんをたしなめるのならこれくらい迫力がなきゃ・・って雰囲気が好きでした。

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2008年に84才でお亡くなりになってますが、作品はずっとずっと映画ファンの心に残ってます。


・・・・・それでは、今日はこの辺で失礼します。






posted by タバスコ at 18:15| Comment(0) | 俳優別映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする